Neo Bike5ヶ月間使用したインプレッション

<ご報告>
ペダルズアップ渋谷店は閉店しました。Tacx Neo Bikeは小杉店にてご利用いただくことができます。
Tacx社のGermin社統合に伴いTacx社製品の当店での販売は終了しております。
ペダルズアップ渋谷店オープンより導入しておりましたTacx Neo Bike Smart Trainerがいよいよ国内正式出荷を開始しました。
この機会にTacx Demo Stationとして登録をさせていただき、Tacx製品の販売を開始することになりました。
せっかくなのでここ数ヶ月実際に使用してみたインプレッションを書いてみました
のでご購入の参考にしていただければ幸いです。Tacx Neo Bikeご購入前の実物確認をしていただくことができるだけでなく、ペダルズアップのトレーニングの体験プログラムをTacx Neo Bike実物で行っていただくことができます。
商品を見学するだけでも、体験する場合でもご予約が必要です。
製品インプレッション
これまで数ヶ月使ってきた感想をお伝えしたいと思います
究極の静粛性を実現
Neo Bikeを購入する最大のメリットがもしかしたらこれかもしれません。最近のダイレクトドライブタイプのローラーならかなり静かではありますが、メカ系の回転音、動作音の発生は抑えられません。Neo Bikeはチェーンの回転音がなく、電子スイッチによるギアチェンジでもメカ音がしません。ギアチェンジの際、音もなく変わってしまうとちょっと気持ち悪い気がするかもしれませんが、Neo Bikeはギアチェンジをシミュレートした振動を発生させるので心配いりません。このギアチェンジの振動、かなり良くできていて押してからギアが変わるまでの時間も正確に再現しているので実際のバイクをコントロールしている気になります。
そこまでの静粛性が本当に必要なのか?という疑問はあるかもしれませんが静まりかえった部屋での回転音、メカ音は意外と大きく感じるかもしれません。プライベート性が高く静かな環境のペダルズアップ渋谷店ならその静粛性を存分にチェックできます。
一方ペダルを止めた時の空転時にラチェット音が発生するのですがこれが意外と大きく、ここまでの静粛性を実現しておきながら少し残念な点です。借用していた製品ではこの音がなかったためベアリングの選択によるものかと思いますので今後修正される可能性はあるかと思います。
下の動画10:30あたりからNeo Bikeがどのぐらいの音を発生するかデモしてます。
同じTacxのダイレクトドライブタイプのローラーを同じテスターがデモしている下の動画と比較していただけるとトレーニング中のノイズ違いがわかりやすいと思います。
非常にスムースなペダルフィール
ローラータイプのNeoでも採用されているネオジウム磁石は電車や電気自動車からハードディスクまで幅広く使われていますが、回転軸の周りにこのネオジウム磁石を使った電子コイル32個配置され回転逆方向の力を発生させて負荷を発生していますがこれが大変スムースなペダルフィールを実現しています。
多くのバイク型トレーニングマシーンは電磁石ブレーキによる負荷調整はドラムの一点にかかる磁力を高くしてブレーキ力を上げますがペダリングのスムースさは損なわれます。これまで展示会でいくつかのトレーナーを体験してワットバイクを超える実走感のトレーナーはないと感じておりましたがNeoの実走感はワットバイクをも超えるものでした。
また最大傾斜25%と謳われれていますがNeoの機構は最大に近い重たい設定された際でもペダルフィールはギクシャクした感じはありません。この点は1点の磁石方式と比べ大きな違いを感じられます。さらに軽い設定から重い設定の調整幅も広く下りをイメージした様な高回転系メニューから激坂ヒルクライムをイメージしたメニューまで妥協せずに行うことができます。
路面状況に合わせてマシーンが振動する”ロードフィール”という機能も搭載されTacxのトレーニングソフトやZWIFTで利用することができます。Tacxトレーニングソフトはまだ十分に試すことができていませんがZWIFTで”ロードフィール”が体験できるコースはワットピアのイタリアンビレッジ辺りぐらいと限定的ですが単調になりがちなフリーライド中にちょっとした変化で楽しめます。今のところ絶対必要と思える機能ではありませんが、Tacx Utilityというマシーン設定用のアプリを利用することでサポートしている様々な路面シミュレーションを体験できますがかなり石畳のシミュレーションなどではかなり強い振動を発生することができています。実走の際に路面からうけるフィードバックにより結構脚にダメージを受けていると思うのですが、ちゃんと使えるアプリがあれば実際のトレーニングにも効果があると思います。Neoのペダルスムースさが非常に高いと書きましたが逆にスムースすぎて実走感を感じられないぐらいなのでアプリと切り離してロードフィールを設定できる機能あるといいなと思うのは私だけでしょうか?
コントロール性に優れたバイク型トレーナー
バイク型トーレーナの大きなメリットと思えるのは傾斜スイッチが付いていることだと思います。スマートローラーでもアプリを操作すれば傾斜設定可能ですがバイク方の場合はハンドルにスイッチがついているので簡単ですし汗をかいた手でも問題ありません。ギアでの負荷調整だと細かい調整ができない場合がありますが傾斜で負荷を調整すれば0,5%刻みでかなり細かく調整が可能です。またボタン2つだけで変えられるのでワットバイクの様に操作が大変ということもありません。ただし変更してから実際にペダルの重さが変わるまでには1、2秒のタイムラグがありワットバイクの様なダイレクトな感覚は味えません。Neo Bikeをギアチェンジした際のペダル重さ変化はリアルタイム性が高いのでソフトウェアの味付け的な部分な様な気がします。
アプリと繋がっていない状況ではハンドルに統合されている4.5インチモニターにはギア、パワー、ケーデンス、心拍数に加えて斜度%も表示され現在の状況がひと目で確認できます。
残念ながらアプリが傾斜%で負荷を自動コントレール設定にすると傾斜スイッチが無効化されてしまう上に4.5インチモニターもギア以外の表示が消えてしまいます。さらにアプリがパワー(Watt)で負荷をコントロールする際は何も表示されなくなります。これはNeo Bikeを使う人が共通に感じる問題だと思いいますので今後のファームウェアのアップデートで修正されることを願っています。
標準装備のスマートファンは意外に使える!!
ハンドルに統合されている前面のファンは小型でちょっとおもちゃっぽく感じるかもしれません。実際私も使うまでは実用性には期待していませんでしたが、顔周辺にスポット的に風が当たり、トレーニング中のパワー、心拍数、スピードなどに応じて強弱が変化するこのスマートファンは思いのほか実用性でした。いつも使っているファンは上に向けても顔の高さまでは中々あてられなかったり身体全体に風が当たる様に置いた場合どうしても顔の高さには風が弱くなっていましたが、通常のファンに加えてトレーナーに装備されているファンがあるといつもより発汗量が抑えられている気がします。トレーニング開始直後のまだ風がほしくない時はファンの向きを簡単に手で変えられるところもポイント高いです。他社のスマートファンだとここだけで数万円するので(もちろん風力など絶対的な能力の差はあるでしょうが)、これが標準で付いてくるのはお得感ありますね。
センサー類の精度について
アプリで表示されるパワー、ケーデンスは実際と1、2秒のズレがあると感じます。トレーナーで計測されるパワーは実車に取り付けられているパワーメータと比べて最大30Wほどの差があることが一般的な様です。トレーナーのパワーと実車のパワーの差は認識してFTPなどパフォーマンスはそれぞれ別に計測するのが理想です。ケーデンスのリアルタイム性が悪い点については今後改善されることを期待です。
実車に近いセッティングが可能。身長は160cm以上が必要。
実車と同じQ-Factor、170mm〜175mmで調整可能なクランク長など実車に近いポジションをセッティングできるNeo Bikeでありますが、オランダ発祥のTacx社は身体の大きい欧州向けを前提で商品開発された模様で身長160cm以上ないと使えない仕様となっています。身長条件が合わない方は大変残念ですが次モデルチェンジに期待していただくしかないです。
頑丈さ
最大パワー2,200wという物凄いスペックではありますが立ち漕ぎしてトレーナーを左右に思いっきり振り足が浮く様なスプリントを行うと壊れる可能性があります。思いっきりスプリントトレーニングをしたい選手はワットバイクの様な頑丈な製品が推奨です。
組み立てやすさ
組み立ては二人以上で行うべきでしょう。搬送用の箱は当然ながらかなりの大きさです。製品の重さも結構あるので箱から梱包の発泡スチロールを取り出すところから一人では無理でしょう(箱を切ってしまえば解決できますが、、、)。箱から出せたら基本本体と足を付属の六角ドライバーで取り付けるだけ。取り付け時に本体を持ち上げておかないとならないのでそれなりに力持ちの人が本体を持ち上げておく必要がありますが、取り付け作業自体は4本のネジを付けるだけなので簡単でした。ハンドル部分は少し複雑ですが日本語マニュアルも付いているのでちゃんと読んでやれば問題ないはずです。サドルも取り付け金具に付いた状態で梱包されていますので取り付けるだけで完了です。
紹介ビデオ
製品仕様
マグネット | ネオジウム磁石32個 |
トランスミッション | |
電源 | 110-240 V |
パワーインジケーター | マルチカラーLED |
無線インジケーター(ANT+/BLUETOOTH) | 2LED |
ギア比 | チェーンリング:最大3枚、各リングの歯数は22~53Tの間で調整可能 カセットスプロケット:最大12速、歯数は11~40Tの間で調整可能 |
Q-ファクター | 147 mm |
最大負荷 | 2,200W |
シミュレーション可能な最大勾配 | 25% |
下り坂のシミュレーション | |
最大トルク | 85 Nm |
最大ブレーキ力 | 250 N |
フライホイール | 仮想 |
慣性質量 | 設定値により125kgまで可変 |
キャリブレーション | 不要 |
設置面積 | 1390 x 750 mm |
高さ | 1170 mm |
重量 | 50 kg |
ワイヤレス通信 | ANT+、BLUETOOTH |
操作元 | スマートフォン、タブレット、ANT+バイクコンピュータ、スタンドアローン、ANT+アンテナを介したコンピュータ接続 |
出力 | スピード、ケイデンスセンサー 、パワー |
読み出し先 | スマートフォン、タブレット、バイクコンピュータ、ANT+アンテナを介したコンピュータ接続 |
測定精度 | 1%未満 |